CROOZ TECH BLOG

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Excel(Google スプレッドシート)の新規関数を使いこなして業務を効率化させよう

こんにちわ、クルーズ株式会社の鈴木です。

 

今回は開発の話というわけじゃないのですが、Excelスプレッドシートの新機能を使いこなして業務の効率化をしていこうという話をしようと思います。

 

表計算ソフトは日々進化している!!

Excel今も昔も様々な会社で使われている超定番の表計算ソフトです。

昔の話過ぎて記憶がかなり曖昧ですが、自分も確かExcel97の時代から触っていて、一番初めに使ったときはVLOOKUP関数すら使いこなせず、数式のエラーに苦戦していた記憶があります。

確か当時のパソコンのOSはWindows 95だったはずなので発売が1995年…

と考えると、約30年近く使っていることになります。

 

Excel自体は1985年には存在していたようなのですが、PCがビジネスツールとして1人に1台まで普及するようになったのはWindows 95以降だと思うので、Excelがビジネスで使われるようになったのもおそらく約30年前くらいなのかなあと思います。そう考えると自分は相当な古参ユーザーだと思います。

 

余談ですがExcel以前は、Lotusというソフトと、ジャストシステムの製品で表計算ソフトがあったようですが、このあたりの歴史にはあまり明るくないです。

 

このようにExcelの歴史は長く、その中で様々な機能のアップデートがありました。グラフがリッチになったとか、リボンUIが採用されるようになった、条件付き書式の設定ができるようになった、拡張子が4文字になったなどわかりやすいものもありますし、各シートで扱える行数が増えたなど処理能力的なものや、関数が増えたなど機能的なものなどさまざまなものがあり、新しいバージョンが出るごとに日々ソフトウェアとして進化しています。

またGoogle スプレッドシートも主要のExcel関数が踏襲されていて、QUERY関数などのデータ抽出系の関数、REGEXEXTRACTなどの正規表現系の関数など独自のものもあり、表計算ソフト全般でみてもソフトウエアが日々進化しています。

 

一方で利用ユーザはそこまで進化していない??

上記のようにExcelをはじめとする表計算ソフトは日々進化し便利になっているのに対し、そのExcelを利用している人間はどうなんだろう??と改めて自分の周りにあるExcelファイルやスプレッドシートを見てみると、あまりアップデートで入った機能や関数などが使われていないものもそれなりに存在しています。特に作成日が新しくゼロから作ったものでも、Excel97のころからあったような関数で数式組んでるなあって、もっと楽に帳票作れるのになあって思うものが多々あり、実は利用者はそこまでソフトウェアのアップデートの恩恵を受けれていないのでは?と思っています。

もちろん私自身がエンジニアで、「この関数使いづらいからもっと効率的数式の書き方とかないの?」とか「この処理ってセルのコピペで絶対ミスるから再利用性の観点でこうやって数式書いたほうがいいんじゃないの?」という長年エンジニアやってるから懸念に気づきやすかったり、調べる癖がついているというもあると思うのですが、それにしても「いやあ、これもっと効率よくできるでしょ」みたいなものもあります。

 

じゃあなぜ、利用者が最新のExcelをはじめとするソフトウェアの進化の恩恵を受けられていないのか?

こちら、あくまでも私の私見ですが以下の複合要因だと思います。

 

  1. Excelというプロダクトの歴史が長く、よい意味で「完成された枯れたプロダクト」になってしまっていて、新しい機能や関数を使わなくても最低限のことはできてしまう。
  2. Excelの使い方を体系立てて学ぶ機会が多くの場合、社会人1年目か社会人になる直前である。
  3. 新しい機能や関数について情報をキャッチアップする機会がない。

 

まず1についてです。

Excelってどのレベルから使えるって言える?の会話でよく登場するVLOOKUP関数ですが、調べてみたところ1985年のリリース当初から存在しています。また条件付き集計関数のCOUNTIF関数はExcel97から存在しています。要するにビジネスツールとして1人に1台PCが支給される時代にExcelの主要な機能や関数はほぼ出来上がってるといえると言えます。

条件付き集計関数の話でいうと、複合条件下のカウントを行うCOUNTIFSという関数がExcel2007で登場しますが、この処理ってIF関数と、COUNTIF関数、あと真偽値(TRUE/FALSE)の概念が理解できていれば、新機能にキャッチアップしなくてもやりたいことはできてしまいます。このように基本的な機能に完成されていて、すでにある機能の組み合わせだけである程度の応用ができてしまうことが一因になっているのではないかと考えられます。

 

 

次に2についてです。

PCを使って業務を行っている人は多くの場合、Excelを学ぶ機会が入社直後の研修であったり入社直前の学校の授業かと思います。

通常の研修カリキュラムはその時点の最新版のソフトウエアのバージョンで行うものの、以降それ以降は体系的に学ぶ場が無いためそこで知識がストップしてしまいソフトウェアの進化の恩恵を受けれなくなってしまうと考えられます。

 

最後に3についてです。

これは本当に書いてあるとおりなのですが、1のExcelがよい意味で「完成された枯れたプロダクト」になってしまっているため、能動的にキャッチアップに動く必要性に駆られないからなのでは?と個人的には考えています。

 

表計算ソフトの進化でユーザが受ける最大の恩恵は「業務効率化」!!

上記に記載のとおりExcelは非常に優れたビジネスツールであり、そのことが故にソフトウェアの進化して機能が追加されても能動的にキャッチアップに動く必要性に駆られにくい側面はあると思います。

 

じゃあ、利用ユーザはツールの進化に伴い、ツールの操作方法や関数の使い方など知識をアップデートしなくてよいのか?

こちらは明確に「No」です。新機能を使いこなすことで利用者にも様々な恩恵があります。

では新機能を使いこなすこと最も利用者が受ける恩恵は何か?それは「業務の効率化」だと考えています。

 

ツールとしてみた際のExcel上での作業の効率化と、業務そのものの効率化の複数の視点で考えてみます。

 

反復操作が減れば作業の量が減るので、当然作業時間は短くなる

会社でExcelスプレッドシートを使う業務の大半は集計や計算書の作成です。

その中でもよく使用される関数としてVLOOKUP関数があります。超定番の関数なのですが、いくつかめんどくさい点として

  • 検索する値が、検索される表の一番左側にないと検索できない。
  • 検索してセルに持ってきたい列が複数あると、列ごとにコピペで持ってきて参照列(第3引数値)を変更するしないとならない。
  • 検索値が見つからなかった場合のエラー処理をIFERROR関数などで書かないとならない。

など考慮しないとならないことがあり、地味に手間です。特にめちゃくちゃ容量の大きいCSVファイルをインポートした際など、検索列をCSVファイルの先頭に持ってくるのですら処理が重くて待たされることもあります。

で、最近のExcel(パッケージ版ではExcel2021くらいから)はXLOOKUP関数という上記に列挙しためんどくさいことを行わなくてもよい関数が提供され、この関数を使用することで作業量が大幅に減ります。

XLOOKUP関数もそうなのですが、配列関数というものがあり、複数行や複数列を1つの数式で書くことができるので反復作業がなくなり作業量を減らすことができ、結果として作業時間が短くなります。

 

反復作業が減れば、数式ミスも確認も再作成も減り業務が効率化する

集計業務でめちゃくちゃ大事で、指導で手をやいていること。それは集計の正確性の担保です。

社内でヒヤリングしているとよくあるのが、新人が作成した集計やシミュレーションをもとにMTGしているとなんか数値おかしいぞってなり、その場でセルの数式を一つずつ確認をしたらコピペミスがあってMTG時間が無駄になった。また再集計とMTGを行い直す必要性が出るので、さらに時間が無駄工数が発生するというような話。

 

もちろん、表計算ソフトをちゃんと使えていない本人にも問題があるし、事前の研修制度にも問題はあるしOJTトレーナーにも問題はあるとは思うものの、一方でコピペミスが発生する根本要因として、コピペして数式代入しないとならないセル自体が多いからです。

こちらも上記で紹介した配列関数が適切に使いこなせればコピペ自体が減り、確認項目も減り検算も効率化するし、必然的に集計数値の正確性も上がり、業務全体で見た効率も上がります。

 

新機能を使いこなして業務を効率化させよう!!

このように新機能を使いこなすこと、業務が効率化するという大きなメリットがあります。

表計算ソフトは日々進化して便利な機能が次々と提供されています。そしてその恩恵は業務の効率化です。皆さんぜひ新機能について情報をキャッチアップしてみて下さい!

 

これだけは絶対に使ってみてほしい便利関数

長文になってしまいましたが、最後にこれ絶対業務が楽になるから使ってみてほしい関数を紹介します。

 

  今回の業務効率化の事例として紹介した関数です。

  検索作業がめちゃくちゃ楽になります。

 

  こちらも配列関数のような振る舞いをするもので、複数行あった際に一番初めの

  行に数式を入れてしまえば一番最後の行までコピペをせずに同じ数式を適用して

  くれるという関数です。

  コピペ自体が減るので表計算上での作業自体も減るし数値の計算が間違うリスク

  が減ります。

 

他にもこの関数使うととても作業楽になるよってものがあったら紹介していきたいと思います。